就学支援

 『就学支援』・『学籍』『教科書』は異なる業務として標準職務表例に挙げられていますが、「就学保障」という共通する目的があります。この3業務はセットで読んでいただきたいです。

 「就学」とは学校に入って教育を受けることです。「就学保障」という言葉を聞いたことがある人も多いと思います。子どもが学校に入って教育を受けることを保障するということです。子どもが豊かな教育を受けることができるようにすることが、学校の役割であり、学校教職員共通の役割であり、学校事務職員の役割でもありますが 、いくら豊かな教育を用意しても、その教育を受けることができない子どもがいたら、その子どもにとっては、受けた教育はゼロということになります。したがって、就学を保障するということは、豊かな教育を提供する以前の段階のことであると言えます。

 就学支援の例として「就学援助」が挙げられています。就学援助というのは、経済的理由により就学が困難であると認められる児童生徒の保護者に対し、国や地方公共団体が就学に要する諸経費を援助する制度です。

 就学援助についての業務の具体的内容としては、就学援助制度や申請手続き方法の保護者への周知や支援などがあります。支援が必要な家庭は、学校からの連絡を見落としがちです。また、制度や説明を理解することが難しい家庭もあります。 必要な家庭が制度を理解して漏れなく申請・受給できることで、子どもの就学がしっかり保障されていると言えます。文書配付だけでなく、メールやホームページでの注意喚起や、電話や家庭訪問などの個別対応など、必要に応じて学校にできる工夫は色々あると思います。業務を効率良く、また効果的に進めるためには、学校事務職員と教員が情報共有を上手くしておくことも大事です。年度の途中で経済状態が悪くなった家庭には、年度の途中での申請を勧めるような局面もあります。学校諸経費の納入状態や、保護者変更などの通知などから、学校事務職員が気づくこともあると思いますし、子どもの様子や保護者からの連絡で、教員が気づくこともあると思います。こういうことは『文書管理』『情報管理』の業務でもあります。

 標準職務表例にはありませんが、奨学金も就学援助と同じように就学支援のための業務です。小学生が対象の奨学金は少ないですが、存在します。中学生が対象の奨学金は、もちろんあります。そして高校生が対象の奨学金はたくさんあります。高校生が対象の奨学金の中には、中学生の間に申し込む必要があるものがあります。また、奨学金制度を使えることを知ることで進路選択が変わる家庭もあります。したがって、奨学金を周知する業務は大切です。文書配付だけでなく、個別に連絡するなど、工夫して業務を効果的に回す必要があります。教員との情報共有も当然必要です。

 保護者の経済的な負担軽減のために、学校徴収金の金額を少なくするとか、個人持ちの教材のリユースを推進するとか、そういう提案を学校でし続けることも就学支援の一環と言えます。授業や指導のやりやすさから、保護者に購入してもらう教材を増やしたいという意見が教員から出ることがあります。それが一概に良くない訳ではありませんが、「同じ内容で安価なものはないか」「新品で買い揃えなくても良いのではないか」と考えるて確認することは必要です。教員の授業のやりやすさや教員の事務負担軽減も大事だし、保護者の経済的な負担軽減も大事。両立できるように上手く調整することが求められていると思います。学校事務職員が安価で有用な教材を調べてきて、教員に逆に提案したりもできると思います。

 保護者からの信頼向上に向けた取り組みや、保護者に寄り添ったり励ましたり助言したり、子どもが学校教育というサービスを受け続けるためにすること、それらは全て就学支援の一環と言えます。もちろん学校事務職員だけで担っている訳でなく、教職員や管理職1人ひとりが担っていることで、また全員で担っているとも言えます。たとえば不登校の傾向のある子どもの家庭から、毎朝のように電話があります。学校事務職員が電話に出ることも多いと思います。そんな電話を掛けることは、保護者にとって楽しい訳がありません。だからわたしは、「お母さん、今日もご連絡ありがとうございました」とか伝えるようにしています。卒業のときに「毎朝の電話のときに、学校事務職員さんに優しい言葉を掛けていただけたおかげで、卒業まで頑張れた」と言いに来られたお母さんもいました。また、苦情の電話を受けることもあります。電話対応で保護者の怒りが緩和されることもあります。学校への信頼が増せば、学校に子どもを安心して行かせようという気持ちになってもらえます。これも就学支援の一環と言えなくもありません。わたしは春休みに、初任の教員に対して電話の出方についてレクチャーしていますが、これも就学支援の一環と言えないこともないのかもしれません。

 学校運営業務の多くは学校事務職員だけで回すわけではありません。『就学支援』の業務も、教員に関わってもらうことで効果的に回ります。たとえば教員に、家庭訪問の際に就学援助の申請の意思の有無を確認してもらったり、安価な副読本を探してもらったりすることは、効果があるでしょう。取り仕切る学校事務職員としては、業務の効果はもちろんのこと、業務の効率化も考えて業務を回す必要があります。学校事務職員の事務負担が少ないだけでなく、教員の事務負担も少なくできる「効率化」を、学校運営業務を取り仕切る学校事務職員は考え出すことが求められています。

学校事務職員がより上手く学校運営業務を回すことで、学校は子どもたちにより充実した教育を提供することができる !

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