学籍

 『就学支援』・『学籍』・『教科書』は異なる業務として標準職務表例に挙げられていますが、「就学保障」という共通する目的があります。この3業務はセットで読んでいただきたいです。

 「就学」とは学校に入って教育を受けることです。「就学保障」という言葉を聞いたことがある人も多いと思います。子どもが学校に入って教育を受けることを保障するということです。子どもが豊かな教育を受けることができるようにすることが、学校の役割であり、学校教職員共通の役割であり、学校事務職員の役割でもありますが 、いくら豊かな教育を用意しても、その教育を受けることができない子どもがいたら、その子どもにとっては、受けた教育はゼロということになります。したがって、就学を保障するということは、豊かな教育を提供する以前の段階のことであると言えます。

 『学籍』についての業務というと、就学届、入学者台帳、卒業者台帳、在学証明、卒業証明などの様々な書類の整備や発行などが思いつく方も多いと思います。各書類がきちんと整備されていること発行されることは当然大事です。ただし、学籍業務は書類の整備だけではありません。

 たとえば、学籍書類から得られる情報を教員の子ども把握のために教員と共有し活用することも大事と思います。教員が把握している住所と住民票上の住所が違ったり、学校で使用している名前と住民票上の名前が違ったり、実際の家族構成と住民票上の家族構成が違ったりすることがあります。意図的に違うこともあれば、手続きを忘れていたというようなこともあります。教員が「何かおかしいな」と言っていたら、様々な学籍書類を確認し、読み取れた情報を速やかに提供することが大事だと思います。特に、入学や転入の際には、書類上の受け入れはともかく、実際に子どもが教育を受けられるようにするには、短時間にたくさんの対応が必要になることもあります。たとえば通訳が必要になったり、前の学校への問い合わせが必要になったり、介助員が必要になったり、カウンセリングが必要になったりすることがあります。したがって、書類や連絡から情報を読み取り、それを学校全体で活用できるように提供することはとても重要と言えます。こういうことは『文書管理』『情報管理』の業務でもあります。

 学校運営業務の多くは学校事務職員だけで回すわけではありません。『学籍』の業務も、教員に関わってもらうことで効果的に回ります。学校事務職員が書類から読み取った情報を基に、教員が子どもや保護者や前の学校や関係機関に確認を取ったり対応したりすることで、子どもが教育を受けることができるという効果が出ます。業務を取り仕切る学校事務職員としては、全ての入学や転入に対応している経験や制度や法規に対する強みを活かして、情報の提供とともに必要であれば「こういうことの確認が必要と思う」「こういう対応する必要があると思う」と気づいたことを伝えることも求められていると思います。

学校事務職員がより上手く学校運営業務を回すことで、学校は子どもたちにより充実した教育を提供することができる !

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